“Teppanyaki Ginza Onodera Paris” the last new Japanese grillade restaurant
銀座の風情を醸し出す鉄板焼きの店がサンジェルマン・デ・プレに出来て、美食家たちを虜にしています。
木の扉を開けて暖簾をくぐると、鉄板カウンターに凛と立つ 佐藤隆亮シェフの姿が。
私が訪れたのはグランドオープンの前夜だったので、オープニングのために来仏していた神辺孝則総料理長が直々に料理して下さるという素晴らしい機会に恵まれました。
アミューズとしてまず出されたのは、神戸牛のお刺身。快い弾力のある肉に極め細やかに入ったサシが、ひと噛みごとにじんわりと溶け出してきて絶妙です。
一品目の前菜は、ビスク・ド・オマールに海老を浮かべた Crevettes Grillées avec Capuccino de Bisque de Homard.
日本鉄板焼き協会の副会長と認定師範を務める 神辺総料理長の見事な手捌きに、つい見惚れてしまいます。
軽やかに へらとフォーク、包丁を操る神辺総料理長。調理器具を置くときには一切音を立てず、鉄板の上でジュージューと焼けていく食材の音以外は聞こえないので、まるで剣術を見ているような静と動の世界観に包まれます。
これぞ、一流の鉄板焼き職人の腕前なのだと、深い感銘を受けました。
上品な出汁と共に味わうぷりぷりの海老の身と、煎餅のようにパリパリにやいた頭殻の食感のコントラストは、鉄板焼きならではの醍醐味!
ビスク・ド・オマールという名から濃厚なスープを思い浮かべていた隣席のフランス人たちは、滋味深い澄んだスープを、とても気に入ったご様子。
そして2品目の前菜は、フォアグラのオレンジ風味 Foie Gras Sauté et assortiment d’oranges.
表面をカリッと焼いたフォアグラの中はふんわりと柔らかく、舌の上でオレンジソースとまろやかに絡み合います。
鉄板焼き 銀座おのでらは、東京の本店もパリも、そして香港やハワイの店も、野菜の美味しさにもこだわっているとあって、口直しに出されたグラパラという多肉植物に蜂蜜をちょっぴりつけて噛んでみると、口の中に瑞々しさが広がって爽やかにリフレッシュされます。
ブーケのように美しいサラダは無菌空間で水耕栽培したフリルレタスを日本から空輸して根付きのままグラスに挿して供され、新鮮なその味わいに思わず感動を覚えるほど。鉄板焼き 銀座おのでらの自家製ドレッシングも、胡麻の風味が格別です!
旬の野菜の中から好みの素材を選んで焼いていただいた後は、遂にお待ちかねのメイン Boeuf de Kobé, Ozaki et Simmental が登場。
生体熟成にこだわった神戸牛と尾崎牛、シメンタール牛を、ヒマラヤの塩や かめびし醤油、マスタードソースで味わいます。
佐藤シェフが手にした大きな肉の塊は、神戸牛のサーロイン。そして、尾崎牛は肩ロース、シメンタール種はフィレ肉を厳選しているのだそう。
器状に象られたヒマラヤの岩塩はピンクトルマリンのように美しく、そこに熱々のお肉を滑らせて味わう至福のひととき・・・・・・。
塩や醤油、マスタードに、好みでわさびやガーリックチップを加えて、3種類のお肉の個性を様々な味わい方で堪能することができるのです。
お肉の後は、顧客毎に小窯で炊いたご飯を、卵と共に米油でさらっと炒めたガーリックライスとお味噌汁。
そして、デザートの最中で締めくくりました。
舌だけでなく 目でも味わう 極上の鉄板焼き。その真髄に触れることができる、素晴らしいアドレスです。
鉄板焼き 銀座おのでら パリ
Teppanyaki Ginza Onodera Paris
6, Rue des Ciseaux 75006 Paris
Tel: + 33 (0)1 42 02 72 12